転職先の介護施設を決める指標の一つ

介護の仕事を始めたい方、別の介護施設に転職を図りたい方は、給料や勤務時間、待遇などだけでなく、介護施設が掲げる経営理念にも注目する必要がある。介護の仕事は、感情労働の側面が強い傾向にある。また、強い志を持って介護の仕事に取り組んでいる人も多い。

逆をいうと、自分の考えと介護施設の方針が乖離していると、閉塞感を感じるようになり、燃え尽きてしまうことも考えられる。自分の考え方と経営理念が一致していれば、働き甲斐を感じるとともに働きやすさにつながるはずだ。

だが、経営理念だけを見て職場を決めることは避けなければならない。立派な経営理念が掲げられていても、それが実行されていない場合があるからだ。

経営理念は経営者が一方的に押し付けるというものではなく、働く人みんなが共有できていることが望まれるものだ。介護施設の運営に携わる人すべてに経営理念が浸透し、同じ方向性を向いていれば、不適切なケアが減り、介護スタッフが不満を抱くことも少なくなることだろう。

経営理念が介護施設に浸透しているかどうかを知るためには、まず働きたいと思っている介護施設の面接の際に、施設で掲げている経営理念についての説明があるかどうかがポイントだ。本当に経営理念を大切にしているのであれば、たとえ人手不足を感じていたとしても、誰でも良いから働いてほしいとは考えないはずである。

加えて、職場見学させてもらうのもおすすめだ。経営理念に沿って職員が介護しているかどうかを確認することができるからだ。